私のよく知る若輩者の男子が、唐突に私に言いました。
「両親が離婚するんです」
彼は、落ち込むととてもわかりやすく顔に出る。
よくよく聞いてみると、それはあまりに突然で、まさに予期せぬ出来事だったらしい。
でもすでに決定事項で、事後報告を受けた形になってしまった彼は、手も足も口も出せず、
戸惑いと寂しさと悲しさが入り混じった、なんとも複雑な表情を浮かべていた。
家族が家族ではなくなるという事実。
実家がなくなってしまうという現実。
彼の寂しさも悲しみも、他人が埋めてあげられるほど浅いものではなく、
彼の心の奥深くにある痛みに効く薬も私は持っていない。
ならば、何ができるか。
たまに私の拙いブログを読んでいただいていると聞いたことがあるお母さんに。
余計なお世話ですが、本当に余計なお世話なんですが。
息子さん、泣いています。
成人となって数年が経過している、自立した社会人ですが、泣いています。
お父さんのこともお母さんのことも大好きな息子さんです。
しょうがないので泣かしています。
自分の家族なのに、何もできない自分が情けなくて泣いています。
なので泣かしておきます。
でも、きっとそのうち泣き止みます。
泣いたってどうにもならないことに気付いたら泣き止みます。
涙が乾いた頃には、ほんの少しだけオトナになっていることを期待しています。
お母さんも、ほんのほんの、ほんの少しだけオトナになったかもしれない彼に
会える日を楽しみにお待ちください。
余計なお世話ですが、お体大切に。
自分に優しく。
余計なお世話のまま失礼いたします。
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